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夏休みの部活では、3年の先輩たちのブロック大会なんかも終わり、引退へ向けて僕達への指導とか連絡事項なんかが行われた。
僕は短距離走をやっていたので、同じ短距離走の森里先輩が指導してくれていた。
この人は3年の中でもかなりイケメンで、以前から練習に女子がコソコソと観に来てるのを何回も目撃していた。
そういう僕も、森里先輩の事はさすがにカッコいいなと思っていて、1対1での指導はかなりドキドキしていた。
スタートダッシュのフォームの確認の時なんか足や腰をグッと支えてくれたりするし、不謹慎なのはわかってるけど、ドキドキしていた。
この指導はウチの部の伝統なのかわからないけど、夏休みの初め1週間ほど続く。1週間一緒にいれば、そこそこ仲良くなれる時間だ。
数日後には部活の帰りの時間にも少し話したりする様にもなるし、一緒にコンビニで休憩したりもした。
たまたま午前中で部活が終わり、部室で着替えようとしている時、森里先輩が不意に言った。
「木村ってさ、着替えるの絶対に1番最後だよな?しかも人が少なくなってからか、誰もいなくなってからじゃないか?」
あまり気付かれない様にしていたんだけどなぁ。
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