88人が本棚に入れています
本棚に追加
私がそう続けたら、弟二君が顔を両手で隠した・・・。
私に見られないようにする為なのか何なのか、隠した・・・。
そして、そのままの姿で・・・
「だから、好きなんですけど・・・。」
と、言ってきて・・・。
そんなことを、言ってきて・・・。
「あり得ない・・・普通は気付けない・・・。
家族だけしか気付けない・・・。
気付かれたこともない・・・。
でも、気付かれたなら分かる・・・。
俺も・・・見抜くことも出来るから、分かる・・・。」
そう言ったかと思ったら、弟二君が両手を顔からゆっくりと退かした・・・。
そして、ゆっくりと現れた弟二君の顔・・・。
この会社の女の子達からも大人気の弟二君の顔・・・。
そんな弟二君の顔を見て・・・
弟二君の顔を見て・・・
音が・・・
音が、殺された・・・。
消滅したわけでも遮断されたわけでもない・・・。
殺された・・・。
殺された・・・。
音二君によって、音が殺された・・・。
そう思うくらいの衝撃・・・。
そう感じるくらいの、衝撃・・・。
初めて見る、弟二君の鋭い目を見て・・・
身体中に電流が走り、打たれた雷によって音が殺されたかのような衝撃・・・。
そして、弟二君に殺された音の中で見る・・・。
いや、無理矢理見させられた・・・。
弟二君に、無理矢理見させられている・・・。
そんな感覚・・・
そんな感覚で、弟二君を見ると・・・
表も裏も、“愛している”顔で・・・。
もう・・・
こんなの・・・
“めちゃくちゃ愛している”以外、見えない顔をしていて・・・
そんな顔で・・・
そんな顔で・・・
弟二君が口を開いた・・・。
「俺、三つ子・・・。」
.
最初のコメントを投稿しよう!