初恋の思い出

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 思ったより硬くはなかった。  笑美里はどこもかしこも柔らかそうだ。  「ふふふっ……くすぐったーい!」  キャッキャと笑う笑美里は可愛かった。  元々、集まっている子供たちの中でも飛び抜けて可愛かった。猫みたいな目がくりくりしていて、色白の顔は丸くてとても小さい。  でも何故だろう?  キスした後の方が、もっと可愛く見える?  「じゃあ、笑美里もここにして」  俺はくすぐったいという笑美里の気持ちが知りたくて、自分のほっぺを指差した。  「ふふふっ!  いーよー」  そう言ってまた俺のジャケットの襟を引っ張り、無理やり屈ませ、俺のほっぺにキスをした。  なんだろう……。  どうしてこんなにドキドキするのだろう?  二歳も下の、この前まで幼稚園児だったガキに好き放題されているのに、全く嫌じゃない。  「そーしくん、これあげる」  にっこり笑ってワンピースのポケットから差し出されたのはミルキーだった。  ……やっぱりこれを食べてたんだな。  「……ありがとう」  「宗司ーっ !  芦田さん、いたわ!  笑美里ちゃんも一緒よ!」  さっき降りてきた階段の上に、母を見つけた。  俺たちが会場から居なくなったことに気づき、探しに来たのだろう。  母の後ろには、笑美里の母親も見える。
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