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あの豪快な教授さんが亡くなったのか……。面白いおっちゃんだったのにな。
遺影を見ながら、寂しく思ったのを今でも覚えている。
その時笑美里は4年生、俺は6年生になっていた。
私立小学校の制服を着た笑美里は、急激に大人びたように見えた。
相変らず猫みたいな目で小さな顔なのに身長はグッと伸びていて、いつもふわふわさせていた髪はポニーテールにされていた。
その横には同じ学園の中学の制服を着た兄貴が立っていた。
学ラン姿の兄貴は俺とたった1つしか違わないのに大人びて見える。俺よりもかなり背が高かった。
笑美里とその小さい顔のイケメンは、兄妹で異彩を放って目立っていた。
本人たちの容姿に加え、私立学園の制服効果もあったのだと思う。
通夜振る舞いの間、子供たちは手持ち無沙汰だった。さすがに通夜の席にゲーム機は持ち込めない。それに、みなそれぞれに成長し、思春期に差し掛かっていたのだ。
ゲーム機というアイテムがなければ、どうやって話しかければいいのかわからないでいた。
ところがそんな中、笑美里の兄貴が話かけてきた。
「宗司、久しぶりだな」
「幸太郎くん、最近ゲームやってないの?」
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