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昨夜は廣澤総合病院に入職した7名の初期研修医と各科新入局員のための新歓が行われた。でも一次会で飲みすぎて、二次会には行けなかったのだ。飲みすぎた私を送ってくれたのがさっき隣に寝ていた人――。
「……はぁ……なんであの人が……」
バスルームに座り込み、何度もこの状況になった過程を思い出そうとしてみるが、送ってもらった辺りまでしか思い出せない。
過去に恋人がいた履歴はなく、唯一の甘い記憶は小学校の時で止まっている。そんな枯れた私に一夜の過ちなんて、ハードルが高すぎる。
バスルームを出たらどうしよう? 朝ごはんを用意すればいいのかしら?
冷蔵庫には牛乳と卵くらいしかないんだけどな……。
あ、コーヒーだ! そうよ。現代の後朝はコーヒーだけって決まってるじゃない。ドラマで見た事があるわ。コーヒー豆ならまだ残っている。
良かった。この後の『すべきこと』がやっとわかり、ホッとした私は長いシャワーを終えることにした。
脱衣室の棚からお気に入りのgelato piqueのルームウェアを取り出し身にまとう。背中の真ん中くらいまでのストレートの髪を乾かしながら、考えはやはり昨日のことに飛ぶ。
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