【一ノ関から仙台】

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 半分ほど食べ進めたあたりで、盛大な後悔に襲われていた。重すぎる――というより、味がくどい。バターがそんな大きい一切れで入っているなんて予想できるか。誇張でもなく十五センチ平方くらいはあったぞ。頭が悪すぎるだろう、一口目から脳味噌が油まみれになった気分だ。もっとも、卓上調味料に置かれていた辛味噌を入れると、これが甚だ美味い。しかし二度と食いたいとは思えない。辛味噌とニンニクを入れて、残りを流し込む。いつもならば汁も飲むところだが、なんだか身体によくなさそうなので控えた。  店を出て駅に戻る。元々予定していた特急は、このまま行けば乗れるだろう。本当ならば一泊したいところだったが、生憎時間もルートも限られているのだ。今回のところは見逃してもらおう。手早く切符を発行し、改札に入る。入ってから、ずんだシェイクを買い忘れていたことを思い出す――改札内の店は長蛇の列だ。なんとも仙台は失敗続きである。大人しく列車に乗り込み、僅かにシートを倒す。胃袋の脂物を感じながら、次は必ず牛タンを食べるぞ、と固く誓った。
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