【仙台から宇都宮】

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 先にチェックインを済ませ、荷物を預ける。昨日のような忙しい日程ではなく、今日は宇都宮で滞在することは確定していた。先に飯だけ済ませてしまおうと、駅内の餃子屋に入る。どこもかしこも餃子ばかりだが、正直どこに入っても違いがわかるわけでもあるまい。なんとなく人が少なさそうで、なんとなく美味そうな匂いがする店に飛び込んだ。外国の人だろうか、カタカナで書かれた名札を下げた店員が注文を訊きにくる。  餃子とラーメンセット。別に悩むものでもあるまい。餃子の種類は、と訊かれ、普通のを、と頼む。他にも色々とバリエーションはあったが、特にこだわりはない。すぐに餃子が運ばれてくる。小皿にタレを注いで、三分の一辣油。と思ったが、何も最初からそんな食べ方をするのももったいない。少し考えて、一つ目は普通にタレを付けて口に運んだ。  ――餃子と言えば、浜松餃子も有名だ。名古屋から近いとは決して言えないが、それでも宇都宮餃子よりは馴染みが深い。あちらは円形に焼かれて出されることもあるが。そこまで考えてから、うん、と頷いた。野菜だ。野菜が多いんだ。宇都宮餃子は、野菜なんだ。浜松餃子は肉と白菜だが、宇都宮は白菜とキャベツなんだ。  これはこれで美味いが――と、いつものように辣油を垂らす。宇都宮は酢と辣油らしいが、タレがあるならタレを使う。いくらご当地のものと言えど、各々の好みで食べればよろしい。餃子の皿を片付けたのとほぼ同時にラーメンがやってきた。ちぢれ麺、醤油ベース。何も捻りがないと言われたらそれまでだが、餃子にはラーメンだ。基本こそ最強ではないのか? スープも一滴残さず飲み干して、少し寛いでから店を出る。向かう先は日光東照宮。ホームに降りると、日光線のみ他の路線とデザインが異なっていることに気づいた。古めかしいというわけではないが、なんとなく明治村を思い出していた。土日であるためか、意外にも客の数は多い。天橋立もこんな風だったか――。  腹も膨れて段々と眠くなってくる。目が覚めた時は日光駅で、通りすがりの人に起こしてもらったのだった。
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