7. 月に泣く

1/1
前へ
/7ページ
次へ

7. 月に泣く

あと何百回、何千回祈り続ければ私は許されますか? 何よりも大事なあの人を手にかけて、その血を浴びたあの日から…もう千年以上経つのです。 私は、愚かでした。 主君(あなた)を、争乱の最中で、むざむざ他人の手で失いたくなかった。 郎党(仲間)も敵も誰彼構わず斬り伏せて……その罰なのか、私は人の身から魔に堕ちました。 だから貴方を喪った満月の夜は、懺悔を込めて独り遠吠えするのです。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加