19

13/22
前へ
/304ページ
次へ
数日後・・・ 灰色の空から雪からヒラヒラと舞い落ちてくる中、宝田と2人で手を繋ぎ、私の手を宝田がコートのポケットに入れてくれる。 長靴はまだ買えていないので、今日はブーツを履いてきた。 「「ちゃんと長靴買おうね。」」 2人で言葉が重なり、それに笑い合う。 そして着いた先は数日ぶりの“ゆきのうえ商店街”。 今日はいつも以上に人が多い商店街。 それに顔見知りだけではなく友達まで沢山いる。 福引きの期間の日曜日だからだと分かり、会長から貰ったチラシを宝田ともう1度見下ろす。 「やっぱり掃除ロボットじゃない? そうすれば宝田と掃除ロボットが分担して永遠に掃除当番をしていけばいいんだし。」 「はい、掃除ロボットを狙っていきます。」 今年も商店街の色んなお店で商品を買い、福引きのチケットを貰おうとしていくけれど・・・。 何故か今年は「結婚祝い!」と言われどのお店でもお金を受け取って貰えなかった。 結婚式でも沢山ご祝儀を貰っていたので申し訳ない気持ちになる。 「こんなにチケットを貰えて良かったのかな。」 「どうせ良い賞品なんて当たらないから大丈夫でしょ、今年も箱ティッシュじゃない?」 「え~!!宝田掃除ロボット当ててよ!! それかミキサー!!」 「どっちも俺が使う物じゃん!!」 「それより、今年の特別賞品なんだろうね? 指輪2つだったりしないかな? そうすれば結婚指輪買いにいかなくていいのに!!」 「いや、俺結婚指輪とか凄い拘りあるから、何店舗も見に行って実際に長峰の指にはめてから確認したいんだけど。」 「だっっる!!! 自分の指じゃなくて私の指になの!? それだったら私も絶対に付き合わないといけないやつじゃん!!」 そんなやり取りを今日も繰り広げ、福引きのガラガラの所の行列に宝田と並ぶ。 顔見知りや友達ばかりのその列。 みんなでワイワイと会話をしながら順番を待っていると・・・ 「「雪枝、駿!」」 と、オババせんぱいと竜さんが笑顔でこっちに歩いてきた。 そして・・・ 「「宮本明日香、うちに戻ってくることになった!!!」」 と・・・。 今日の午前中にマツイ化粧品に来ることになっていた宮本さん。 その宮本さんはマツイ化粧品に戻ってくるらしい。
/304ページ

最初のコメントを投稿しよう!

700人が本棚に入れています
本棚に追加