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「結婚生活、その後どう?」
こじんまりとした薄暗いバル、そこでワイングラスでワインを飲んだ後に結子(ゆいこ)に聞かれた。
私の仕事が忙しくなり、高校時代からの友達の結子と会えたのは随分と久しぶりだったから。
27歳の9月に入り結婚をした私、宝田雪枝。
旧姓、長峰。
1年以上も宝田の名字なのにまだ慣れていない中、28歳の2月になった・・・。
結婚相手である宝田のことを思い浮かべる。
マツイ化粧品の社長第二秘書、宝田のことを。
松居喜一会長の下、そこには2人の代表取締役・・・須崎社長と板東社長。
宝田は須崎社長の第二秘書。
そして、私は・・・板東社長の第二秘書。
大手化粧品会社であるマツイ化粧品に新卒で入社をした宝田と私は、3年間は企画部に、その後は営業部に、そして今回の秘書室に配属となったのは27歳の年の4月のこと。
その全ての部署で、宝田と私は犬猿の仲だった。
自他共に認める、犬猿の仲だった。
どちらが犬でどちらが猿かも分からないけれど、そんな仲だった。
犬猿の仲の宝田を思い浮かべながら、私は結子に言う。
「今までと何も変わらない。
いっつも喧嘩ばっかりしてる。」
私の答えに、結子は可愛すぎる顔を困ったようにして笑っていた。
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