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勉強を終えてからは、シャーロットを連れて散歩へ行くこともある。その時に、私の居た路地裏にいって皆に挨拶したり、蝋燭や食べ物、生活用品を渡したりする。お父様から許可は貰っているものの、いつも大荷物だからシャーロットが大変そうにしているけど、まあ、仕方ないよね。
でも今日は別のところへ行きたい気分だったから、お父様にちゃんと言ってシャーロットと共に散歩へ行った。
「お嬢様、屋台が出てますが行きますか?」
「うん、行ってみよう!この季節になるといつも出てるもんね。じゃあいつものおやつ、買いたいな…」
そう思いながら歩いていると、後ろから手が伸びてきて、私の口元を抑えて裏路地に連れてこられた。シャーロットは私を追いかけてきて、相手を威嚇する。
「お嬢様っ!!お前ら、お嬢様になにするつもりだ!!」
私を連れてきた男は、ニィッと不敵な笑みを浮かべて、こう言った。
「この娘、貴族だろ?だとしたら嬉しいね、今まで貴族の娘を襲った事なかったんでな」
その言葉を聞いた私は、体が動かなくなった。怖くなったのだ。今までこういう体験をしたことがなかったから。…守られて、生きてきたから。
「糞野郎っ、お嬢様を返せ!!」
そうシャーロットがいい放った時、シャーロットの後ろからまた男の声がした。
「……何の騒ぎだ?」
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