No.1 day of beginning

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No.1 day of beginning

誕生は、路地裏の娼婦の家だった。彼女の母親はその界隈では有名な娼婦で、父親は客として訪れた役人。不注意で出来た子供として邪魔者扱いをされ、まだ赤子の彼女に暴力を振るう者もいたらしい。それでも母親は『この子が自分の子供なら責任を持って育てる』と信念を持って彼女を育てていた。 そんなある日、新しい客が母親の下へ来た。その客は貴族だった。母親を特に気に入っており、しばらく通ってからその客は、母親に家に来るよう言った…のだが、子供はいらないと言ったらしい。 「私はこの子の母親です!育て上げる義務があります!」 「俺の所に来るのに別の男の子供を連れてくるのか?ふざけるな!!」 母親は子供を認めないなら行かないと意地をはった。……それが原因なのか、客は子供を拐って捨てさせた。この時まだ彼女は、4歳だ。当時の彼女は『アリス』という名前がついている。 アリスはそんな経緯で、捨てられた。大切に育てようとしてくれた母親の意思を無視した貴族の手によって。
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