No.1 day of beginning

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寂しくて、皆に会いたくて、何度もアリスは自殺を試みた。だけどどの方法も人間が行うもの。吸血鬼のアリスはすべて回復してしまう。自殺未遂をして、生きてしまって、また自殺未遂をして。そんな辛い生活を、200年近く続けた。 「………アリスちゃん、そろそろそんなことやめようぜ。周りの皆も心配してるぞ?」 「……うん。ごめんね。でも……疲れたの」 「…そうかい。今日は遠出して、薪を取りに行くから、ここにいるなら留守番頼んだよ」 「わかった…………いってらっしゃい」 皆を見送って、小屋にまた籠ろうとしたその時だった。外が少し騒がしくなっていたので、様子を見に行くと、身なりのいい貴族がこの裏路地に来ていた。 「なんだいアンタ。アタシらをバカにしに来たのかい!?」 「そういう訳ではありませんよ。私はここに読み書きが出来て、とても賢い吸血鬼がいると聞き付けてきたんです。」 「またアリス狙いの輩か………帰んな!」 身なりのいい貴族は、どうやら私を探しているみたいだ。このまま様子を見てもいいが、皆のことが心配で行ってみることにした。
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