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「………あの、何のようでしょうか。」
「あ、もしかして君が吸血鬼の子?いやあ、ようやく後継ぎが出来そうだよ」
後継ぎが出来る?この人、何いってるんだろう。意味がわからなくて、顔をしかめてしまった。
「ああごめんね、いきなりでわからないよね。私はカイル・ヴィヴィアン。吸血鬼ではあるが、この国で公爵をしているよ。」
「「「こ、こ、公爵!?」」」
周りの皆は公爵という貴族のトップがここに来ていることに驚きを隠せなかった。私はそれよりも私と同じ吸血鬼が居ることが驚きだった。
「私は妻が要るのだが、同じ吸血鬼の妻との子供が中々出来なくて困っていたんだ。だから噂を耳にして飛んできたというわけさ。」
「君を養子に迎え入れたい。返事はすぐじゃなくてもいい。吸血鬼は生が長いから、いつかいってくれれば、それでいいよ。」
優しく私に話しかけるその方は、信用してもいい気がした。それに、赤い瞳やこの国では居ないだろう銀髪、何処か古い口調だけど若い見た目、姿や仕草で吸血鬼ということに関しては嘘をついていないことがわかる。
だからこそ、どうするべきか悩んだ。
長年暮らしてきた場所は、思い出でもあるけれど、寂しさや苦しさもある。
でも、もし私が貴族になったら皆に少しでも普通の暮らしをしてもらえるかもしれない。そう思った私は、その場で答えを出した。
「なります、養子。ならせてください」
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