No.1 day of beginning

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案内された部屋はベッドのある広い部屋で、クレアさんの周りにいたメイドさんに色々やってもらい、服を着替えた。着替えさせてもらうのは慣れてなかったから、変な感じがする。服は少し大きかったが、すぐにメイドさんが調整をして、ピッタリになった。 「それではお嬢様、奥様と当主様がお待ちです。ご案内致します。」 「あ、はい……ありがとうございます。」 またもや案内されるがままに部屋へ行くと、其処にはカイルさんとクレアさん、そして若い男性がいた。他にもいたけど、服装的に多分使用人だろう。 「似合ってるね。今度ちゃんと仕立ててもらうから、それまでは少し我慢してくれるかな?」 「も、勿論です。それより、ここは……?」 「ここは応接室だよ。今から色々決めなくちゃいけないことがあるからね。」 とりあえず座ってくれ、と言われたのですぐに座った。それから渡されたのは2つの書類だった。一つ目は養子縁組を正式に結ぶ為の書類。二つ目は私の個人情報を記入するものだった。 「二枚目の書類は、誕生日と年齢だけ書いてくれればそれでいいのだけど、問題は名前だ。先ほどクレアが言った通り、名前は変えてほしい。一応何個か案は出したのだが…気に入らなければ新しく考えてもいいよ。」 脇にあったメモには、四つの名前があった。 ミカ、ラシェル、リリー、アンナ。どれも可愛らしい名前で本当に私が貰っていいのか悩んだ。だから私はあえて、この名前の頭文字から取って「ミラリア」という案を出した。 「欲張りだね…でもそういうの、嫌いじゃないよ。」 「いいじゃない、私の名前に少し似ていて親子って感じがあって好きよ、私!」 「それじゃミラリア、これからよろしく。」 「………はい!」
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