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私の家族
自分では、到底届かないであろう場所まで整理された部屋は家政婦の八代さんが掃除を毎日してくれている。
いつも学校へ登校するときは、机の上が勉強道具や本が乱雑にでているが帰ってくるといつも整理されている。
感心している時にドアを3回ノックして八代さんが部屋に入らない位置で話し始めた。
「紗枝様、お父様がお待ちです。」
「あの人が?いつ帰ってきた?」
「今日のお昼頃にお帰りでした。どうされますか?」
「分かった、今からいく。」
「一緒のタイミングでいきましょうか?」
「ありがとう、八代さん」
八代さんは、生まれた時から私の母親が割りの家政婦で母よりも多分私のことを知っている。
食卓に用意されていたのは、父を歓迎するために用意されたであろうものばかりだった。八代さんと並んで食卓に移動すると母と父が向かい合いに座って私を待っていた。
「おかえり、紗枝。」
「おかえりなさい、紗枝遅かったわよ。お父さん待ちびれちゃったわよ。」
「ただいま、いつもより食事が豪華ですね。お母様。」
「当たり前だわ、お父さんが帰ってくるんだから」
「お父様、いつも急ですね。」
「そんなことはないぞ、いつも連絡しているつもりなんだが」
「そうでしたか。。。」
私の家族は、嘘が下手だ。
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