謎の鬼ごっこ

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謎の鬼ごっこ

「ぇ、た、た、倒れたッ!?」 慌てて近くにいた生徒が 倒れた生徒に駆け寄った。 が生徒の後ろに鬼が近寄った。 「おいッ!後ろッ!」 誰かがそう叫んだ瞬間。 彼女の方に触れようとした瞬間。 彼女がストンと落ちた。 「凄ッめっちゃ早い!」 と満面の笑みで鬼に話しかけた。 わざと落ちたのだ。 (あの速さ……バケモンだろ……) 悪意も何も無い、純粋な声だった。 「別に。話すつもりは無いから。」 鬼はふわりと地面に手を触れると クナイのようなものが手に握られていた。 (ぇ、何処から出したんだよ……!?) クナイの風を切る音が聞こえた。 鬼も鬼だった。人間離れした凄技 何億年練習しても出来ないような、 技を簡単そうに繰り出してくる。 目に追えないスピードでクナイは 飛んで行った。 絶対に避けられない。 そう皆が頭に過ぎった瞬間。 バキッ そんな、 乾いた音が響く。 「ッ!」 鬼もクラスメイトも目を見開いた。 「ふぅ、危ない危ない~!」 ふわりと足を下げた。 足であの速さのクナイを蹴り飛ばしたのだ。 「油断大敵。 勝つためには味方を売る事も時には必要。」 そんな言葉が響いた時。 皆が動かなくなった。 いや、動けなくなった。 「……!?」 圧もそうだが体が言う事を聞かない。 焦り隣にいるリトに目をやった。 その表情は、この状況の不安と冷静に 分析している顔だった。 「私は、敵に味方する。 その方が有利と思ったから。」 と声の発信源のクラスメイトが、 音もせず前に歩いて出てきた。 そして「良い?」と鬼に 彼女は、話しかけた。 「分かった。」 目を合わせた。 すると、鬼はズバンと言う音と共に 運動能力が飛び抜けている少女を触った。 その瞬間、動けるようになった。 ちらりと横にいるリトを見る。 リトは、ボソリと呟くように_ 「ねぇ、ここが何処か分かったかも。」 「ぇ、」 リトは、耳元で話してきた。 「そこで、メルには__をやって欲しいの」
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