誰も知らない若の気持ち

1/1
前へ
/18ページ
次へ

誰も知らない若の気持ち

(さん)と電話を切った後、俺は、掃除機を当てる。 その後、ソファーに座って若とのLimeを見ていた。 亡くなる当日の朝にやってきたLimeの謎がやっととけた。 【竹。サンキュー達を頼みます。(きゅう)の兄に、三には別の形で、二人を支えてあげてほしい。俺、竹なら許せるから】 【許せるってなに?サンキューの事は、任せとけ】 【こっちの話。ありがとう、竹。最高の親友で幼なじみやったよ】 【俺も、若が大好きやで!こんな最高な親友で幼なじみはおらんよ。】 【ごめんな。(はち)を失った後、何度も強要した。嫌やったやろ?俺は、竹の体に執着してた。渡したくなかった。だから、好きなやついるのにやった。ごめんな。】 【別に、ええよ。俺かて、好きの区別つけられんかったから…。気にしてへんよ、昔の事】 【誰にも出来ん事、竹にやった。ホンマに悪かったと思ってる】 【なんや?懺悔か?あっちで、許してもらおうと思ってるん?】 【エッチ嫌いなん。俺のせいやんな?】 【はあ?ちゃうで。元々、嫌いやねん。】 【好きになれたらいいな】 【なくたって、生きてける】 【なあ?三の事、よー見とったってな】 【若、結構、三押してくるやん】 【ホンマに、見とったってや】 【わかった。約束する】 【三、強がりやから心配や。九你臣(くにおみ)と違って、素直やないから。だから、竹が気にかけたってな】 【わかってる、約束する】 そのLimeの後、俺は、仕事に行った。 俺が、見ないのをわかった、若は、最後にとんでもない爆弾を落としていった。 俺は、若のLimeがずっと開けなくて…。 100のマークが、ずっとついていた。 初七日が終わり、開いた俺は、壊れた。 誰にも言えなかった気持ちが書かれていた。 【死にたくない】 【生きたい】 【助けて】 【こんな人生、いやや】 【死ぬ瞬間、俺、幸せやった、ありがとうって絶対ゆうねん。ゆわされんねん。やけど、死にたない。竹、助けて、苦しなってきてる。絶対、今日や】 絶対って、何やねん。 若が、亡くなったのは15時過ぎだった。 苦しみだしたのは、12時過ぎやったらしい。 俺への最後のLimeは、11時半やった。 本当の最後のLimeが、一番キツかった。 【竹。やっぱり今日やで。死にたくない。助けて。もうすぐしたら、痛み止め強くされるって…。殺されるんやで、俺。死にたない。竹、見て。既読つけて。俺を助けにきて。竹、いつも助けてくれたやん。死にたないねん。怖いねん。傍におってや。二番目に好きな竹におってもらったら、痛みましなるかもしれん。死にたない。助けて、助けて、助けて、助けて。ごめん。竹やからこんなんゆうてる。家族には、幸せやったって嘘ついた。九你臣にも大丈夫、怖ないって嘘ついた。だって、竹に送った文章見たらみんな苦しむやん。竹を苦しめてごめん】 俺は、若の死に目には、会えた。 外回りやったから、九からの電話とって直帰にして向かった。 若、怖いのましやったか? 喋られんぐらいゼェーゼェー言うてた。 やけど、俺の手を離さんかったんわ。 死にたくなかったからやろ? 今でも、このLime見る度苦しくなる。 でも、絶対消さへん。 若を見てると、穏やかに死ぬって嘘やなって思った。 未練ありすぎやったんやないか? 49日に突然届いた60サイズの段ボール。 俺は、それを開けて見つめる。 なぜか、八の後に俺にした事からの懺悔の手紙やらが送られてきた。 若が、母親に49日に送ってくれと言ってきた。と若のお母さんからのメモが入っていた。 俺は、この手紙をどないしたらいいねん。 まだ、全部を読めていなかった。 読んだ物は、輪ゴムで纏めていた。 一枚目の手紙に書いていたのは、Limeが消える事を考えて手紙にしたとゆう事やった。 「後、何通あんねん」 今日は、これかな ナンバーもふられていないから、ランダムで読むしかない。 【竹へ】 俺の秘密を教えます。今、俺は、三と付き合っています。 八への気持ちを消す為に利用しました。 あの世で、呪われますね。 ただ、最近は三を少しずつ好きになってきています。 恋のそれです。 そこで、竹にお願いがあります。 三の恋人になって下さい 【若】 何で、急に三と付き合えって…。 俺は、もう一度手紙をひく。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加