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それから、私と深田はスポーツジムへ。体を動かすことがこんなに楽しかったとはという感動を覚えていた…… 失礼ながら、電波な話を聞かされて心身がどうかしていたのだろう。
この後は再び集会へ。この前と同じ歓迎を受けたとしか言いようがない。
ただ、一部の方は「二度目はない」と思っていたようで「まさかまた来てくださるとは!」と驚かれた上で前以上に力強い握手をされてしまった。
集会の開始前に井田姉妹に再会したのだが、本当に驚かれたような顔をされてしまった。
どうやら彼女も、私の二度目はないと思っていたクチらしい。
井田姉妹とは不思議と話が合った。神の話さえしなければ、至って普通の建築学部に通う女子大学生なのである。出来ることなら集会そっちのけで、ずっと話をしていたいとさえ思えるぐらいに談笑に夢中になっていたのだった。
それを寂しそうな顔で見る深田に気がついた私は、話をフッてみることにした。
「えっと、深田くんとずっと一緒なんですよね?」
「ええ。それが何か?」
「話をしたりすることは」
「無いですね…… ただ、ずっと一緒の集会場に来ているお方だとしか…… 長い間ここに来ていても話もしたことない方は割といますし」
ここで深田を紹介したところで、あいつはキョドるだけだろう。まぁ、今日は聖書研究で予習をしてきていて、あいつが注解できるように下準備は出来ている。その時に切欠を繋いでくれればいいだろう。私はそんなことを考えながら深田の元へと戻るのであった。
今日の集会の注解であるが…… 深田は何もしなかった。答えになるであろう場所をマーカーで引いて、聖書にも付箋を貼ったというのに! 注解と、授業中に先生に差されて答えるのと何が違うと言うのだろうか。次こそは勇気を奮って欲しいものである。
集会も終わりかけた時、尿意が襲いかかってきた。今日のジムのサウナ上がりでコーラを飲みすぎたせいだろうか。
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