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静けさの中で、キミと。
「..................っ、ぅ、」
〝この日が来なければ良い〟だなんて。
そんなことを何度考えただろう...............
今にも溢れ出そうな涙を堪える私の目の前には。
幼なじみである、
紀平静(きひらしず)くんが、
何も言わずに無言で立っている。
静くんは、
私、成海羽生(なるみわう)よりも、
1つ学年が上のお兄さん。
私と静くんが育ったのは、田舎の小さな島。
なんとかギリギリ、高校まではあって。
大学に行くために、みんな島を出ていく。
それが毎年恒例となっている。
〝卒業生を送り出す〟
その毎年恒例の行事も、今年で終わり。
静くんが大学に行くからだ。
そして私は、1つ下だから、
来年にならないと卒業出来ない..................
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