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「ん。まぁーいいよ。
羽生の泣き顔も見納めだしね」
聞こえるギリギリの声量で静かに呟くような声。
「............っ、静くん、頑張って‼︎」
泣き顔で暫く会えないとかしたくなくって。
こぼれ落ちそうな涙を拭いてから、
静くんに笑顔を向ける。
「ん。頑張る......から。
羽生、僕と約束してくれる?」
静くんはそう言うと、
優しく私の手を握ってきた。
「やく......そく?」
約束ってなんだろう............?
そう思いながらも返事をすると。
「そ、約束。羽生も来てよ、同じ大学」
「ゎ、私、頭そんなに良くない......よ?」
「大丈夫。羽生なら出来るから」
静くんの行く大学に来てというお誘いだった......
誰もいない2人だけの時間。
静けさの中で、静くんと約束を交わしたんだ......
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