おばあちゃまから教わる事

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おばあちゃまから教わる事

 メイサはこの夏休みの間におばあちゃまから様々なことを聞かされることになった。  まず、さっきお母さんが言っていた魔法使いの家系であること。  でも、メイサは今まで魔法が自然に体からあふれることがなかったので、普通の小学校に入れるかどうか悩んでいたこと。  そして、妖精を見たことで、メイサの身体には間違いなく魔法が宿っているので自信をもって、マーガレット魔法学校に進学すること。  小学校に入るまでの間、おばあちゃまが色々なことをメイサに教えることになるので、今までの夏休みのように遊んでばかりはいられないこと。だった。  夏休みを楽しみにしていたメイサは結構がっかりはしたけれど、自分が魔法使いの家系であることにもっとびっくりしていた。  幼稚園で不思議なことをする子はよく見かけた。  みんなで大きなお城を積み木で作っていたのをつまづいて崩してしまった時、みんなが文句を言おうと思ったらいつの間にか外で木に登っていた子。  嫌いなおやつが出るといつの間にか隣の子のお皿におやつが移っている子。  もしかして、あれって魔法使いの子供だったのかな?  おばあちゃまに幼稚園でのことを聞いてみると。 「あぁ、そうだね。魔法使いの子供は自分で嫌だって思うと体が勝手に動いたり物を勝手に動かしたりすることがあるのさ。」 「ただ、それはお勉強して身についたものではないから、これから魔法学校に行って、マヌールの前ではそんなことを見せないように授業で正しい魔法の使い方を教えてもらうのさ。」 「マヌールって?」 「あぁ、メイサが言っていた幼稚園のほとんどの子がマヌールさ。つまり、魔法族ではなく、人間族のことだよ。」  メイサは自分は普通の人間だと思っていたので違う種族がいて、自分がそっちの違う種族に属する魔法族だとはいまだに信じられなかった。  おばあちゃまは言った。 「さぁ、メイサ。妖精が見えたけれど、メイサは自分から魔法を出すことはあまり得意ではないようだね。でも、無理やり出さなくても魔法学校で習ううちに自然にできるようになるから心配しないでね。」 「この夏休みの間はメイサに色々な魔法を見せてあげよう。それに、魔法属の事を話せたのだからおばあちゃまの薬草づくりも手伝ってもらえそうだね。」  おばあちゃまは、とても嬉しそうにお日様みたいにピカピカの笑顔で笑った。  これまで魔法はメイサの中に現れなかったけれど、メイサが魔法族なのは生まれたときから決まっていた宿命だったのだ。  大好きなおばあちゃまが喜んでくれるなら魔法使いの家系という宿命というものも悪くないな。とメイサは思った。  その夏休みは忙しくなった。おばあちゃまが言ったようにおばあちゃまは今までメイサの前では、おばあちゃまの言う所のマヌールのように色々な家事を全部手でやってくれていたけれど、実はとても面倒だったのよ。とメイサに話した。  そして、その日のお昼ご飯からお台所は魔法をかけられたお鍋やフライパンがお料理をした。おばあちゃまはお野菜にも魔法をかけた。  おばあちゃまくらいの魔法使いになるといちいち杖を出さなくても家事くらいは簡単に魔法を使えるのだそうだ。  お野菜やお肉は勝手にお料理に合わせた大きさになり、お鍋やフライパンに向かって飛んでいった。そして、お野菜に火が通ると勝手に調味料が飛んで行って、良い味付けをしてくれた。  あっという間にお昼の用意ができるところをメイサは目を皿のようにして見ていた。  そして、魔法で作ったお昼ご飯は、今までのおばあちゃまのお料理よりおいしかった。流石にそれを言ったら失礼だろうと思い、メイサは黙っていた。  でも、おばあちゃまの方から、 「マヌールの作り方はいちいち本を見ないと作れなかったからね。」 「どう?おばあちゃまの魔法のお料理の方がおいしいでしょう?」  と、笑って言ってきた。    メイサも笑って、 「うん。もしかして、お母さんのお料理も魔法で作った方がおいしいのかな?」  というと、 「多分ね。」  と、おばあちゃまはいたずらっぽい笑顔で笑い返した。  実のところ、幼稚園のお友達の所でお昼ご飯をごちそうになった時に、なんて美味しいご飯なんだろうと思ったメイサは、お母さんは実はあまりお料理が得意ではないのかな?と感じていたのだった。
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