第六話 沙羅の琵琶
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さあ お行きなさい。 白の人は言う。雲水は頷き、 立ち上がった。戸に手をかけて 左へ払うと、一面の赤。 見渡すかぎりの 炎の海が 広がっていた。目の前に。 いつの間にか、堂は消えて。 雲水は独り 取り残された。
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