灼熱の大地

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 水色のマントの捲ったところから、ひょっこりと顔を見せた小動物の姿が一匹……と、もう一匹現れた。猫やら兎やら分からない二匹の小動物は今更ながらだが、ずっと其処に居たそうだ。どうやら彼女のお伴らしい。  「……ゴメンね? 未だ目的地に着いていないよ?」  彼女は小動物達に頭を撫でながら謝っていると、水筒の姿が二匹と一緒に並んでいる事に気付く。二匹は何か伝えたい事があるから、水筒と一緒に並んでいるそうだ。どうして小動物が顔を見せて来たのか、その理由を彼女は察した。 「……無くなった、か」  進んで行く内に、とうとう貴重な水分を切らしてしまったそうだ。  水分を切らしてしまっても、彼女達は未だ歩み続ける。  何処を向いても砂漠の中で歩み続ける内に、どんどん歪んだ様な。……いや、歪んだ大地と空が彼女の瞳に映るそれは、 「蜃気楼だ……」  見えたと思ったら、見えなくなって。  見えなくなったと思ったら、また見えて。  加えて、焼ける様な熱が邪魔しに、更に過酷な旅に変える。  きっと誰だって、こんな所で死にたいなんて思わない、そう思う筈だから。死に場所は自分で決めたい、またそう思う筈だから。  進む為の目的が他に出来てしまった。  生きて、宝石を手にして帰る為に。  水分を新たに得る為に、彼女達はオアシスを目指して──
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