入籍

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「あ、だから、今日じゃないと……」 「そうだよ!」 「ごめんね、ありがとう」 その上にダイヤの婚約指輪をもう一度重ねて嵌めてくれた。 「俺のも嵌めて!」と指輪を手渡される。 ナギの左手薬指に嵌めた。 お揃いの指輪。ようやく夫婦になれた実感が湧いて来て、凄く嬉しかった。 今日は、散々、ナギを困らせたのに…… ナギは、ちゃんと考えてくれてたんだ。それが、とても嬉しかった。 「ありがとう」 改めてお礼を言った。 「ううん。こちらこそ、俺と結婚してくれてありがとう」 「イヤな事ばかり言ってごめんね」と、目を潤ませてしまったから、ナギが笑いながら、慌てているようだ。 「何言ってるの、俺のせいだから、気にしないで!」と、手を握ってくれる。 「うん……」 「これからだって、思ったことは、ちゃんと言い合おう」 「うん」 「もう夫婦なんだからね」 「うん」 「さあ、食べよう」 「うん」 胸がいっぱいで、泣きそうで『うん』しか言えなかった。 綺麗に飾られたデザートを2人で平らげた。 ナギ! あなたで良かった。幸せだ。
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