174人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、だから、今日じゃないと……」
「そうだよ!」
「ごめんね、ありがとう」
その上にダイヤの婚約指輪をもう一度重ねて嵌めてくれた。
「俺のも嵌めて!」と指輪を手渡される。
ナギの左手薬指に嵌めた。
お揃いの指輪。ようやく夫婦になれた実感が湧いて来て、凄く嬉しかった。
今日は、散々、ナギを困らせたのに……
ナギは、ちゃんと考えてくれてたんだ。それが、とても嬉しかった。
「ありがとう」
改めてお礼を言った。
「ううん。こちらこそ、俺と結婚してくれてありがとう」
「イヤな事ばかり言ってごめんね」と、目を潤ませてしまったから、ナギが笑いながら、慌てているようだ。
「何言ってるの、俺のせいだから、気にしないで!」と、手を握ってくれる。
「うん……」
「これからだって、思ったことは、ちゃんと言い合おう」
「うん」
「もう夫婦なんだからね」
「うん」
「さあ、食べよう」
「うん」
胸がいっぱいで、泣きそうで『うん』しか言えなかった。
綺麗に飾られたデザートを2人で平らげた。
ナギ! あなたで良かった。幸せだ。
最初のコメントを投稿しよう!