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《ずっと書きたいとは思ってたんですけど、なかなかまとまらなくて。初めて一つ書けたんです。他の人に読んでもらえるような立派なのじゃないんですけど。》 《読み専の私からしたら、小説書けるってだけで凄いから! しかもまだ高校生なのに。才能ある人ってホント羨ましい~。》 《全然そんなんじゃないです。でも、ありがとうございます。》  単なるお世辞だとしても、佳織の言葉は穂香にとって力になる。初めての、趣味を同じくする他者からの前向きな応援。 《あ、あと、最初から脅かしてごめんね。ネットって顔見えないし、本当にいろんな人いるのよ。穂香ちゃんに薦めたサイトは平和な方だとは思うんだけど、それでも中には絡んでくる人もいるらしいわ。私は読み専だから経験ないけど、書き手さんとお付き合いさせてもらってるからあれこれ聞いてるんだ。》  ネットは怖いとよく聞きはするが、穂香は実際に体験したことはなかった。あまりSNSに熱心な方ではないからかもしれない。 《そうなんですね。ちょっと不安です。》 《もしそういう人に当たっても気にし過ぎる必要ないよ。さっさとブロックして忘れるのが一番、って私の知ってる書き手さんは言ってたわ》  楽しいことばかりではないのだ、と少し沈み掛けて、それでも穂香は前もって教えてもらえてよかったと考えることにした。
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