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「穂香!? どした、その顔!」
次の日、重い気分のまま学校に行った穂香に理央がいきなり驚いた声を上げる。
「……あー、昨夜あんまり寝らんなくって」
確かに、家で鏡を見た際にも「ヒドイ顔だな~」と感じてはいた。
「寝るの大好きな穂香が珍しいね。……なんかあった?」
探るような早織の声に、思わず瞳が潤みそうになる。どうやら自分で思う以上に弱っているようだ。
「うん、まあ。……小説に、ちょっとキッツーいコメントもらっちゃってね」
二人とも口先だけの「何もない」で通じる相手ではないため、それだけを正直に告げた。
「どういう──」
心配そうな理央の言葉を遮るように、始業のチャイムが鳴る。穂香がぎりぎりに登校したからだ。
「穂香、あとで! 休み時間じゃ慌しいから、お昼にゆっくり聞かせて!」
自分の席に向かいながら、早織が心配そうに告げてくれた。
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