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「……あー、ゴメン! あたし、小説ってダメなんだよね。本読むと頭痛くなる。国語の教科書とか、テストの文章題ならしょーがないから頑張って読むけど」
「私も全然読まないから。ノベルゲーでさえ苦手なくらいだもん。でも小説書けるのって凄いね!」
「そっか、ならいいんだ。誰か読んでくんないかなぁ」
理央も早織も申し訳なさそうに断って来たけれど、それ自体は一向に構わなかった。
気が進まないのなら押し付ける気など最初からない。仲の良い子が読んでくれたら嬉しいな、という程度だ。
穂香たち三人組は、学校では大抵一緒にいるが趣味はまったく合わなかった。
理央は『アニヲタ』とも呼ばれるアニメ好きで、早織はゲームが好きらしい。「らしい」というところからもわかるように、二人とも穂香に自分の趣味を強要は決してしなかった。
そして穂香も、小説を書いていることを言ったかどうかさえ覚えていないほどだ。
だから少し残念には感じたとしても、「断られた、傷ついた!」とはならない。
何もかもべったり一緒でなくていい、というところが楽で、呆れるくらいタイプが違う三人が仲良くしていられるのかもしれない。
もちろん、趣味や好みが違うのに何故か意外と気が合うというのが一番大きかった。
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