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「穂香! いいこと聞いて来たよ~」  翌日、教室で顔合わせた途端に早織が穂香の腕を掴むようにして話し出した。 「あのね、なんか『投稿サイト』ってのがあるんだって! お姉ちゃんもそこで他の人が書いたもの読んでるんだってさ」 「『投稿サイト』? って小説の?」 「そうそう」  携帯小説等、素人が書いて掲載できるサイトがあるらしいのはもちろん穂香も知っているが、ハードルが高そうで想定外だった。  第一、作品を完成させたのも今回が初めてなのだから、不特定多数に読んでもらう、発表する、ということを考えていなかったのだ。  しかし仮にも作家として『仕事』にすることを目標にするのなら、まずは読んでもらうことから始めるのが道理だろう。 「あたしもそんな詳しくないけど、ラノベとかで○○サイト発! ってよくあるよ。そっからアニメ化したりもするから。前クール観てた深夜アニメ、元は投稿作だったって聞いた」  いつの間にかすぐ横まで来ていた理央の言葉に、穂香は思わず唸らされた。さすがはアニメ好きというだけはある。
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