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「おはよ~」 「あ、穂香(ほのか)おはよーん」 「おはよ。いつも早いのにどしたの?」  週明けの月曜日の朝。  教室に入った穂香に、親しい友人の理央(りお)早織(さおり)が挨拶で迎えてくれる。  中高一貫の女子校であるこの学校はコース制を取っており、穂香が所属する特進コースは一クラスのみ。  必然的にクラス替えもなく、中等部はずっと同じメンバーで過ごして来たのだ。高等部からの編入もないため、六年間同じということになる。 「乗るはずの電車に間に合わなくてさぁ」 「まあ穂香は毎朝余裕持って出てるもんね。一本逃したって遅刻はないのにさ」 「早織は結構ギリギリも多いよな~。穂香もだけど、本数多い沿線でいいなぁ。あたしはいつものに乗れないともう遅刻だから、早めに出ないとヤバいんだよ……」    穂香にとって「特別な友達」と言えるのは理央と早織くらいだ。  クラスメイトは皆すごく仲良し、というほどではないものの、お互いの違いは認め合いそれなりに上手く付き合えている状態だと思っている。  穂香はこの関係に満足しているし、自分で希望して入ったこの学校もクラスメイトも好きだった。
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