学園の王子様

2/2
1429人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
都心部から少し外れたまるで宮殿のような学園。 ある人から見れば牢獄とも呼べる孤高の男子校。 そんな学園で今、壇上に立った1人の生徒に会場中の視線が集中していた。 「はぁ…美しい…」 「やっぱりここは宮殿だった…???」 「光で目がっ…!目が見えない…!!!」 感嘆をこぼす生徒達でしばらくザワザワしていたが、その生徒が口を開いた瞬間、誰もがその美しい声、いや、音色を聴く為に静まった。 「暖かな春の訪れと共に……」 スラッと伸びた背とキャラメルのような瞳、ブラウンアッシュの髪。声までも甘い男は瞬く間に会場内の全ての人間を虜にした。 「(お腹空いた…これ終わったらパンでも買おう……メロンパン、いやクリームパンかな……あ、お腹鳴りそう)」 一方で、そんなプリンスこと新入生代表の天宮瑞樹は、現在進行形で菓子パンに心を奪われていた。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!