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夏
午前四時 みんなはまだ眠っている
いつのまにか目の奥が痛い
書きかけのレポート パソコンに耳をよせると ふと波の音がした
カーテンをどけると 空のずっと向こうが赤い ベランダの窓をいっぱいに開く
潮の香りに スイカの甘さ 新緑 新しい出会い 夏の匂いが目前に迫ってきた
体を熱くする淀んだ冷たい空気を追い出すように駆け出して 夏めく
夏の太陽に焼かれた森の深緑を枕
薄く空に伸びる夕焼けは掛け布団に
ついてまわる焦燥は 入道雲がみせる幻で
この苦しみは きっと セミのいたずら
8月8日も、暑いから
ついてまわる焦燥は 入道雲がみせる幻で
心の痛みは きっと遠くで死んでいる水星のかけら
8月8日も、暑い。そしてあなたが好きだから
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