ゆうちゃんはなんでもなれる

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 食事に飽きたゆうちゃんはリビングに向かい、歌いながら踊り出す。ゆうちゃんの作詞作曲の歌と創作ダンスだ。歌もダンスも作れるアイドルはなかなか凄いんじゃないのだろうか。  皆でほのぼのしながら、その様子を見る。みや姉さんはスマホでその様子を撮っている。 「もいっしょに!」  唐突に、私に話を振られた。  いかちゃんというのは私のことだ。みかという名前だけど、ゆうちゃんは舌足らずでいかちゃんになる。 「一緒に?」 「うたって、おどる!」  ゆうちゃんは手を掴まれて、リビングという名の舞台に上がる。 「はーときゅんきゅん♪」  ゆうちゃんは綺麗な高音だ。 「ハート、キュンキュン♪」  対して、私はぎこちない低音だ。躍りもゆうちゃんの動きの後追いなことを差し引いても、なんかカクカクしている。  そして、これもみや姉さんが動画に撮っている。さっきの写真もこの動画もネットに流出しないことを祈る。  ライブが終わったあと、息をつく暇もなくゆうちゃんは絵本を読んで欲しいとねだった。
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