【第1章】ワタシがカンジた絶望

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ワタシは幼稚園時代は友達と楽しく遊んでいたと思う。 おもちゃの取り合いになった時、男の子をぶん殴って泣かした記憶がある。 細かい事は気にしない、活発な女の子だったというのがこの頃の自分自身についての感想。 小学校に入って、周囲から何かしらの「順位付け」をされるようになって、自分がどのカテゴリでも最下位付近でしかない事実に気付かされた。 掛け算九九を憶えるのはクラスの誰よりも遅かった。 漢字なんて難しいものを当たり前のように使う日本は異常な国だと思った。 なんでひらがなとカタカナがあるのに漢字まで知らなきゃいけないの? かけっこは短距離・長距離ともにダメ。 先生からは「フォームだけは凄く良い。」と謎の褒め方をされた。 じゃあどうすりゃいいのよ、と投げやりな気持ちになる。 最悪なのは、夏の水泳だ。 ワタシは水に入るのが嫌だった。 自分はよく憶えてないけど、赤ん坊の頃に、祖母がうっかりワタシをお風呂に落としてしまった事があったらしい。 しかもその時、お風呂に入っていたのが水で、冷たい思いをしたんだとか。 祖母と太陽光発電システムさんの、ダブルでの失態。 でもそれが本当の原因なのか、自分でもよくわからない。 だってお風呂に入るのは平気だもの。 学校のプールでは、身体と心が水の中に入るのをとにかく拒絶してた。 なんか怖い、なんか嫌、そういう感情が強烈に働くんだよね。 クラスメイトがガキ丸出しではしゃぐ姿を、プールサイドで体育座りしながら眺めてた。
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