【第1章】ワタシがカンジた絶望

3/93
前へ
/160ページ
次へ
学年が進むと、クラスメイトの間で仲の良い子同士のグループができてくる。 幼稚園の頃と違って、変に男女を意識するようになって、男と女が仲良くするとアレだコレだなんて言われるようになった。 「別にいいじゃん、それで何か問題あるの?」って思うけど、なんとなくそう言われるのって気分悪い。 だから、グループも必然的に同性で集まるようになっていた。 他所の地域や学校はどうだったかわからないけど、ワタシの居たクラスでは、頭の良い子は同じレベルでグループ化してたし、運動が得意な子も同様だった。 ワタシはもちろんそのどっちにも入れてもらえなかった。 そんなワタシとよく遊んでくれたのは、異常なほど虫が好きな子と、宇宙にすごく興味があって宇宙人と会いたい子、超絶あやとりが上手い子の3人だった。 なんというか、趣味友? マニアックな趣味を持つ仲間?って感じかな? ワタシは絵が好きで、特に漫画みたいな絵を描けたらいいなって思ってた。 ワタシがおねだりして、少女漫画の週刊誌を親が買い与えてくれるようになったのは、小学4年生になってからだった。 でも、その前から絵が好きだったんだよね。 実家には使ってない部屋が2つあった。 それは母の姉妹の部屋だった空間。 一緒に暮らしてる祖父と祖母は、母の両親なんだ。 その2つの部屋に、ワタシは時々入り浸ってた。 入っちゃいけないとか言われてなかったけど、なんとなく秘密の場所っぽくて、自分だけの空間って気がして、こっそり入ってそこで時間を過ごすのが好きだったんだよね。 その2つの部屋の両方に、少女漫画様がありまして。 セリフの部分や書き文字は、漢字がわからなくて読めない所が多かった。 だけど絵を見るのが楽しかった。 具体的に何をどうしてる絵なのかとかそういうのはどうでもよくて、なんとなく素敵に感じたんだよね。 それからずっと、漫画の絵が好き、いつか描けるようになれたらいいな、って思うようになりました。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加