171人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
俺は枕元に隠しておいた小さな箱を取り出した。
俺は木下を愛して変わった。
彼の喜ぶ顔がみたい。その為なら、柄じゃないことだってできる。
「並木、どうしたの?」
「これからも俺は木下と居るから。一緒に歳を重ねていきたい。」
「うん。俺もだよ。並木と一緒に居たい。」
木下の返事を聞いた俺は、箱をそっと開けて、指輪を取り出した。
そして、木下の左手の薬指にはめた。
「木下さ、証明出来るものが欲しいって言ってただろ?」
「うん。」
「だから、形のあるものと思って。」
「うん。」
木下が話さない。
どうしたんだ?
慣れないことはするもんじゃなかったのかもしれない。
と思ったとき、木下が俺に抱きついた。
「ありがとう。並木、大好き。」
「泣いてるのか?」
「並木のせいだからな。嬉し泣きだ//」
「俺の傍に居るなら、ずっと外すなよ。」
「会社にもはめていく、寝る時も外さない。」
「んはっ、会社にもはめていったら恋人がいることバレるぞ?」
「いいんだよ。その為に、はめていくんだから。」
俺は木下の頭を優しく撫でた。
「それにしても、指輪ピッタリだね。サイズ教えたっけ?」
「木下のことなら、なんでも分かるから。」
「さすが笑」
木下は微笑んだ。
「俺も並木のスマホのロック番号は分かる!」
「え?」
「あ、でも、覗いたりしてないからな。」
「木下になら見られても平気だけど。見る?」
「うーん、やっぱいい/カメラロールが俺ばっかだと照れるし//」
「そうじゃないかもよ?」
俺は木下を挑発した。
「うう...でも見ない!」
「そうか。ちなみに俺も、木下のスマホのロック解除できる。」
「ええ。」
「見てないから安心しろ。それとも、見られてまずいことでもあるのか?」
俺は鎌をかけた。
「ない、断じてない!だけど、恥ずかしいから/」
「カメラロールが俺の写真ばっかとか?」
「なんで分かるんだよ///」
「さっき言っただろ?木下のことならなんでも分かるって。」
「うう///」
俺は耳まで真っ赤にしている木下の唇に、そっとキスをした。
最初のコメントを投稿しよう!