S極~Side:並木~

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俺は枕元に隠しておいた小さな箱を取り出した。 俺は木下を愛して変わった。 彼の喜ぶ顔がみたい。その為なら、柄じゃないことだってできる。 「並木、どうしたの?」 「これからも俺は木下と居るから。一緒に歳を重ねていきたい。」 「うん。俺もだよ。並木と一緒に居たい。」 木下の返事を聞いた俺は、箱をそっと開けて、指輪を取り出した。 そして、木下の左手の薬指にはめた。 「木下さ、証明出来るものが欲しいって言ってただろ?」 「うん。」 「だから、形のあるものと思って。」 「うん。」 木下が話さない。 どうしたんだ? 慣れないことはするもんじゃなかったのかもしれない。 と思ったとき、木下が俺に抱きついた。 「ありがとう。並木、大好き。」 「泣いてるのか?」 「並木のせいだからな。嬉し泣きだ//」 「俺の傍に居るなら、ずっと外すなよ。」 「会社にもはめていく、寝る時も外さない。」 「んはっ、会社にもはめていったら恋人がいることバレるぞ?」 「いいんだよ。その為に、はめていくんだから。」 俺は木下の頭を優しく撫でた。 「それにしても、指輪ピッタリだね。サイズ教えたっけ?」 「木下のことなら、なんでも分かるから。」 「さすが笑」 木下は微笑んだ。 「俺も並木のスマホのロック番号は分かる!」 「え?」 「あ、でも、覗いたりしてないからな。」 「木下になら見られても平気だけど。見る?」 「うーん、やっぱいい/カメラロールが俺ばっかだと照れるし//」 「そうじゃないかもよ?」 俺は木下を挑発した。 「うう...でも見ない!」 「そうか。ちなみに俺も、木下のスマホのロック解除できる。」 「ええ。」 「見てないから安心しろ。それとも、見られてまずいことでもあるのか?」 俺は鎌をかけた。 「ない、断じてない!だけど、恥ずかしいから/」 「カメラロールが俺の写真ばっかとか?」 「なんで分かるんだよ///」 「さっき言っただろ?木下のことならなんでも分かるって。」 「うう///」 俺は耳まで真っ赤にしている木下の唇に、そっとキスをした。
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