N極~Side:木下~

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今週は仕事が立て込んだこともあり、並木との時間があまり取れなかった。 一緒のベッドで寝ていても、並木の背中を見ると寂しくなってしまう。 出来ることなら、毎日、並木と触れ合っていたい。 そう思うくらいに俺は並木が大好きだ。 そして、今日は出張当日。 並木がスーツケースを持って、寝室から出てきた。 「新幹線の時間があるから、先に出るな。」 「うん、気をつけて。」 「明日には帰ってくるし、夜、電話するから。」 「わかったから早く行けよ。新幹線遅れるぞ?」 俺は寂しい気持ちを隠して、気丈に振舞った。 「うん、行ってくる。」 チュッ 「え///」 「戸締りしっかりな。」 並木は清々しい表情を浮かべながら歩いていった。 やられた…。 これが、行ってきますのキスの破壊力なのか? 俺は口元を触り、その場にしばらく立ち尽くした。
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