N極~Side:木下~

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「おはようございます。」 俺は久しぶりに1人で出勤した。 いつもなら、隣の席に並木が居るが今日はいない。 並木は今頃、新幹線に乗っているだろう。 俺は腕時計を見た。 そろそろ出張先の名古屋に着く頃だ。 ブーブー すると、タイミングよく俺のスマホが震えた。 「着いた。」 並木らしいメッセージに、俺は思わずニヤけた。 「お疲れ様。仕事頑張れよ。」 俺は返信すると、気持ちを切り替えパソコンに向かった。 普段も会社で並木と話すことはあまりない。 話すと言っても、仕事の連絡事項か、昼休みくらいだ。 けれど、隣の席に並木が居るか、居ないかでは安心感がまるで違う。 ブーブー 「隣の席見てても俺は居ないからな。笑」 俺の行動を見透かしたかのように、並木から再びメッセージが送られてきた。 「バレてるし笑」 さすが並木だ。 俺を一瞬で笑顔にさせた。
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