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「食ったー。」
「ははっ、木下の腹はちきれそう。」
「仕方ないだろ。美味しかったから。」
「それは良かった。」
俺と並木は焼肉店を出て、並んで歩いた。
しかし、しばらく歩いた所で俺に異変が起きた。
「腹苦しい……」
「食べすぎだ。休むか?」
「大丈夫。」
つい、調子にのって食べすぎてしまった。
「大丈夫っていう顔じゃないぞ。」
並木は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
「あそこに公園あるから座ろう。歩けるか?」
「うん、なんとか。」
俺は並木に支えられながら、公園のベンチに辿り着いた。
「迷惑かけてごめん。」
「全然。迷惑なんて思ったことない。」
「格好良い。」
「今頃気づいたか?笑」
「ううん。前から知ってる。」
俺がそういうと、並木は俺の肩を自分の方へと引き寄せた。
「たまには、ゆっくり空見るのもいいな。」
「うん。そうだな。」
すると、俺と並木の前を一組のカップルが通った。
こういう時、耳がいい事が悔やまれる。
カップルの会話を聞いた俺は、並木から離れようとした。
「言わせたい奴には言わせておけばいいよ。俺は、誰に何を言われても平気だから。」
「並木は格好いいな。」
「だろ?」
俺は微笑む並木を見つめた。
「木下?」
「俺、並木が大好き。」
そして、彼の唇にそっとキスをした。
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