S極~Side:並木~

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「そろそろ帰るか。歩ける?」 「うん。並木のお陰で楽になった。」 俺は木下を支えながら立ち上がった。 そして、当たり前のように手を繋いだ。 「並木の手冷たい。」 「前にも言ってたな笑」 「うん笑」 「木下の手は温かいよ。」 「俺たちって違うことも多いよな。」 「そうだな。でも、違うからいいことも沢山ある。」 「例えば?」 木下が俺に問いかけた。 「自分一人だと知ることが出来なかった世界を知れる。とか。」 「うんうん。俺も並木と映画を観るようになって洋画も面白いなって思った!今までは邦画ばっかり観てたから。」 「俺は漫画をよく読むようになった。」 「俺の趣味だ笑」 「そう笑」 「帰ったら久しぶりに映画でも観る?」 「それよりも、一緒に風呂に入りたい。」 「う、うん/」 外が暗くて木下の表情は見えないが、きっと頬を赤くしているに違いない。 「可愛いなぁ。」 「誰が?」 「木下が。」 俺たちは微笑み合いながら、夜道を手を繋ぎ歩いた。
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