S極~Side:並木~

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「今日は早めに寝るか。」 「そうだな。」 「電気消すぞ。」 「待って。」 すると、木下は俺の手を握った。 寝室はすぐそこなのに、木下のこういう所、可愛くて好きだ。 寝室に入ると、早速、俺たちは並んでベッドに横になった。 いつものように木下が俺にくっついてくる。 俺の胸にすっぽりとおさまる彼の髪を俺はそっと撫でた。 「それ好き。」 「頭撫でられるの?」 「そう。安心する。」 「それは良かった。」 「並木の匂いだ。」 木下は目を閉じ、言った。 「俺の匂いってどんな?」 「うーん、安心する匂い。」 「なんだそれ。笑」 「同じシャンプーの匂いと、少しだけ煙草の匂いもする。」 「へー。」 「俺も同じ煙草吸おうかな。そしたら同じ匂いになる?」 木下は上目遣いで俺を見た。 「今更、煙草はやめておけよ。身体にわるい。」 「自分は吸ってるじゃん。笑」 「そうだな。笑」 「禁煙する?」 「……考えとく。」 「それしないやつだ。笑」 チュッ 「並木///」 「寝ないとまたするぞ。」 「分かったよ、おやすみ//」 「おやすみ、木下。」 しばらくすると、木下の寝息が聞こえてきた。 それを確認すると、俺も目を閉じ、眠りについた。
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