N極~Side:木下~

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「正月の前に、クリスマスどうする?」 「あ!」 「って、忘れてたのかよ笑」 「うん笑」 俺は正直に答えた。 「何か欲しいものあるか?」 「ううん、並木が居ればそれでいい。」 「それなら、木下の時間を俺に頂戴。」 どういうことだろうか? すると、並木は俺に1枚のチケットを手渡した。 「うそ……」 「一緒に行こう。」 「このアーティストのクリスマス公演はいつも即完売で、でも俺、前から大ファンで1度行ってみたくて、え、並木、取ってくれたのか?」 「好きなことは知ってる。家でも熱弁してたから。」 「やばい、泣きそう。」 「んはっ、泣くほど嬉しいか?」 「うん、嬉しい。ありがとう。」 俺はここが外であることも忘れて、並木に抱きついた。
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