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今日は12月24日
クリスマス・イブ
俺と木下は、タクシーで都内のホテルまで向かっていた。
「緊張してきた……」
木下は終始、落ち着かない様子で窓の外を眺めている。
「まだディナーショーまで2時間あるぞ。」
「なんで、並木はそんなに冷静なんだよ。」
「俺はこういう時、緊張しないんだよな。」
「羨ましい。」
今夜は、木下が大ファンであるアーティストのディナーショー当日。
俺も木下もスーツを着て、ビシッと決めている。
「ネクタイこれでいいかな?」
「それ、家出る時も言ってたな笑」
「だって、今日の並木は一段と格好いいのに、俺はいつもと変わらないし……」
「大丈夫。俺が選んだから。似合ってる。」
「真顔で言うな//」
「木下はいつもより可愛いよ。」
「だから、恥ずかしいから言うなって//」
俺は照れる木下の手を握った。
「他の人に今日の木下を見せたくないんだけどな。」
「え?/」
「俺が木下を格好よくし過ぎた。」
「……///」
「どう?少しは緊張ほぐれたか?」
「う、うん///」
「それは良かった。」
俺は木下を見つめ微笑んだ。
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