S極~Side:並木~

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ホテルに着くと、既に、ディナーショーに訪れたであろう人達でフロントは混雑していた。 「ディナーショーの会場ってどこだ?」 「うんと...1階イベントフロアって書いてある。」 「ってことは、こっちか。」 俺はホテルの案内図を確認した。 イベントフロアの入口では、本人確認と荷物検査が行われていた。 俺と木下もその列の最後尾に並んだ。 「どこら辺の席だろう?」 「ここに座席表あるぞ。」 「俺たちの席はA-1、A-2だって。」 木下がチケットを確認しながら言った。 「丸テーブルに5人ずつ座るみたいだな。俺と木下は1番前の右側のテーブルみたいだ。」 「おお!良く見えそう。」 「だな。」 「行儀よく食事しないとな。」 「心配しなくても、木下は美味しそうに食べる天才だから。」 「そうじゃなくて、マナーとかの話。」 「まぁ、なんとかなるだろ。」 「並木の真似する。」 「俺じゃなくて、推しを見てて笑」 「どっちも見る。」 「そろそろ会場に入れそうだな。」 「うん...また緊張してきた......」 ころころ変わる木下の表情に、笑いを堪える俺だった。
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