S極~Side:並木~

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俺は部屋のドアにルームキーをかざし、ロックを解除した。 「こっちおいで?」 俺は木下を窓際に誘導すると、電気を消したまま、カーテンを開けた。 「え、すごい...」 「この部屋、穴場なんだ。」 「きれいだ。」 「冬の花火もいいもんだな。」 「そうだね。」 今夜、クリスマスの花火大会が催されることを知った俺は、打ち上げ花火が一望できるこの部屋を予約した。 「並木、ありがとう。俺、すごく幸せ。」 「よかった。」 俺は花火に夢中になっている木下を後ろからそっと抱き締めた。 窓に映る俺たちの表情は、幸せそうに笑っていた。
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