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コンビニ
市役所や、ケーブルテレビでの工事の工期や内容の説明が終わり、会社への帰り道。
ケーブルテレビの事務所近くのコンビニに寄ると、取材終わりと思われる葉摘を見た。
手には、お茶を持っていて会計を済ませた後だった。もう一歩早ければ、僕が奢ったりできたかもしれない。
いや、顔見知りではあるが、取引先、それ以外のなんでもない僕には声をかける勇気もない。
が。
財布を出そうとした僕は、自動ドアの前
カチャン
「あ。」
店内から出てくる葉摘を前に
「あ、鴫原さんまた落としてる。」
鍵を落とした。
「すいません。邪魔して。」
葉摘は鍵を拾って僕に渡してくれた。
「いいですけど、お財布と違うポケットに入れた方がいいと思いますよ。」
「……たしかに。」
「ふふ。」
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