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雉間の言葉に再び唖然とするはじめ。
その表情を見ていた猿渡が、なんで知ってるんだって顔だな、と茶化してくる。
「こいつの調査情報だよ」
犬塚が雉間の方へと親指を立てた。
「ちょうさじょうほう?」
雉間はえへへと照れくさそうに笑いながら
「俺、脱サラして探偵になったんだ」
と言った。
頭がクラクラしてきた。
またはじめを混乱させる事項が増えたからだ。
犬塚は売れっ子ホストから不動産屋に、雉間はサラリーマンから探偵に…
(猿渡は役所勤めから変わっていないと自ら告白してきた)
そして元夫たちは全員結託して、はじめを抱こうとしている。
共有妻にすると言って。
「色々起こりすぎて混乱するよなぁ。でも俺たちだってお前に逃げられた時はずいぶん混乱したんだぜ?何が悪かったのか自分の行い振り返ったりしてさ」
「はじめの意思を尊重して離婚届にサインはしたが、納得なんてずっとできていなかった」
「だからもうこうするしかないってみんなで決めたんだよ。みんなまだはじめの事好きだからさ」
彼らの熱っぽい眼差しと言葉に、はじめは思わずハッとした。
それははじめて聞いた彼らの離婚への思いだった。
一方的に別れを告げて逃げだして、彼らの気持ちを無視していたのは事実。
こんな報復(というのは違うかもしれないが)をされても仕方がない。
何より、そんな別れ方をしてもなおまだはじめの事をずっと想ってくれていたという事が、はじめの心を揺さぶった。
騙されるな、この行為を正当化させるための嘘かもしれない、ともう一人のはじめが忠告してくる。
だが、彼らがそんな嘘をつかない事はよく知っている。
好き。
そのたった二文字に、強張っていた身体から力が抜けていく。
はじめから反論の言葉がないのをいいことに、淫靡な手つきが再開された。
そのうちのひとつが、はじめの股間に向かってスルスルと滑り落ちていく。
撫で回される感触と裸の羞恥とで半勃ちになっていたそこを、絶妙な力加減で握られた。
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