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次の日、部活をサボって駅に行った。駅のホームで電車を待ちながら、昨日交換したLINEの画面を出した。
『今から電車に乗ります』
送るとすぐに既読が付いた。それから『了解』のスタンプと、現地集合しましょうと返事が来た。
スマホをモーターと反対のポケットに入れて、深呼吸した。正直、ぶーたに会わなくてよくてほっとしてる。
ぶーたのことが大好きなのに、会って積もらせていた切なさ。一度、心と実際の距離をとったら意外にも、気持ちが落ち着いていた。
駅の傍にずっと植えられているツツジから瑞々しい香りが漂ってきた。大きく息を吸って、その香りごと肺に届ける。
「勝てるレース、かぁ」
今となっては勝算はゼロ。とにかく一度自分をリセットする必要があると分かってる。誠一郎君の手伝いをするというのは、実のところ私にとって都合のいい逃げ道だったのかもしれない。
遠くから遮断機の音が聞こえ、間もなく構内に電車がやってきた。空気音と共に扉が開く。
私は足を踏み出して電車に乗り込んだ。
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