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そのあたしに、岸田先生は、優しく言った。
「咲井君、幸せの種は、蒔いたかね?」
「えっ?」
「ワシがずっと、言っていたじゃろう? 幸せは、種を蒔かないと、やっては来ないと」
そうだ。
岸田先生の、口癖だった。
「小説家になりたいなら、種を蒔き続ける……小さなことでもいい。書き続けるんじゃ。それから、もうひとつの夢の種は、蒔いたようじゃな」
岸田先生は、ジョシュアさんを見つめた。
そして、言った。
「君は、今でも、咲井君のことが好きじゃろう?」
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