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第12話 嘘、早過ぎない?
簡単なゲーム、だからこそ危機感を持たないといけない。
『……マジカルバナナ、バナナといったら黄色』
「黄色といったら、レモン」
「レモンといったら、酸っぱい!」
「酸っぱいといったら梅干し」
「……梅干しといったら赤い」
「赤いといったらりんご〜」
「り、りんごといったら丸い」
1周が終わった。以外と大丈夫そうだ。
ただ、誰かが脱落するまで終わらない……。
『丸いといったらボール』
「ボールといったら、蹴る」
「け、蹴るといったらー、えっと……」
謙斗は答えられなくなってしまった。
[……えっと、郁謙斗さん、止まったから終わりです!]
「うう、嘘だろ!? おい、やめろ!」
『謙斗!!』
「颯馬……ごめん」
謙斗は優しく笑った。
その瞬間、爆発音が強く響く。
『う……!』
「郁くん〜!?」
「おいふざけんなよ! 嘘だろ!?」
「謙斗……!」
「無理無理無理、僕見れない……」
「いくら何でも早過ぎでしょ……」
謙斗なのかも分からないほどぐちゃぐちゃになった手足。
飛び出た目玉。転がり出た内蔵。全てが悪夢の様だ。
[脱落者2人目? は、郁謙斗さん!]
[他のみんなは最初からマジカルバナナを続けてね。もう1人出るまで。]
もう、こいつに従うしかないのか……
謙斗……
お前は俺の、初めての友達だったんだよ。
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